徳島大学は、「人間性に富む人格の形成を促す教育を行い、優れた専門能力と自立した未来社会の諸問題に立ち向かう、進取の気風を身につけた人材の育成に努める」ことを教育理念としている。この理念の実現には、その礎となる初年次教育・教養教育の充実が肝要であるとの認識に立ち、平成20年度から、少人数による体験型学習に特化した「社会性形成科目群」を新設した。その課程で、地域社会の様々な分野で活躍し、大学教育・教養教育に造詣の深い本学卒業生を含む社会人をボランティアとして広く迎え入れ、社会人・学生・教員とともに学びう「学びのコミュニティー」の形成を行った。
この「学びのコミュニティー」を通じて、学生は自主的学習態度を育むとともに、学生力を高め、人間力や社会性を形成することが可能となる。教員は学生や社会人と共に学ぶことにより、さらに幅広い分野での教授力を身につける。社会人は、学生の教育に参画することにより生涯教育の動機付けを図りながら、学びを深める。このように「学び合う地域社会」を大学の中に構築することによって、学生・社会人・教員それぞれの学びを深め、その流れはやがて他大学、そして地域へと広がっていく。
「知の循環型社会」とは、地域の特色を生かした教養教育の改善の一モデルとして、その成果を広く発信することにより、大学を中心とした「知の循環」を構築する社会を目指すものである。